イギリス主権基地領域アクロティリ及びデケリア
白色部分がアクロティリ及びデケリア
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イギリス主権基地領域アクロティリおよびデケリア(英語:Sovereign Base Areas of Akrotiri and Dhekelia, ギリシャ語:Περιοχές Κυρίαρχων Βάσεων Ακρωτηρίου και Δεκέλειας, トルコ語:Akrotiri ve Dikelya Nın Egemen Üs Bölgeleri)は、キプロス共和国内にある2つの飛び地であり海外領土である。キプロス共和国と国連が監視している停戦ラインの緩衝地帯(正式名称:国際連合キプロス緩衝地帯)とキプロス紛争で事実上独立(後述)したトルコ人が中心で統治している「北キプロス・トルコ共和国」と隣接している。軍事基地領域という将官を行政官として軍が統治しているという特別な位置付けのため日本の高校地理の地図帳に掲載されていない。
・発生理由と当領域の地位について
発生原因は条約5476号の「キプロス共和国の建国に関する条約(ロンドン=チューリッヒ協定)」でアクロティリとデケリアが英軍基地を設置するためイギリスの主権が及ぶ領域として残された。日本にある米軍基地とは違い治外法権が基地領域にあるのではなく、主権自体があるためイギリス領としてみなされている。
ただし以下の制約(統治理念)がある。
・当領域内で軍事目的以外の開発は不可。
・植民地として運営は不可。
・当領域とキプロス共和国の境界に税関や壁の設置は不可。
・軍事関連を除き、民間企業や産業などを許可してはならない。そして島の経済、商業、産業の団結と生活を妨げることはしてはならない。
・商用及び民間の港や空港の設立は禁止。
・一時的なものを除き、当領域に新たな定住を認めてはならない。
・軍事目的で公正な補償を行うことを除いて、当領域の私有財産を収用してはならない。
史跡の採掘調査に関しては、英国の許可のもと行うことができ、採掘されたものはキプロス共和国のものとなる。
イギリス国防省によると「当領域は属領ではなく軍事基地として使われるので政府は国防省に報告等は行っているが、外務・英連邦省やニコシアの英国高等弁務官事務所とは正式な関係はないが、政策問題に関して両省と密接な非公式なつながりがある。」としており非公式ながら海外領土として扱ってることがわかる。この領域では国防省の助言に基づき国王が行政官を任命する。キプロス内戦時、キプロス島にトルコ軍が侵攻したがイギリス(中立)との戦争を恐れてか、この領域は侵攻しなかった。
・国境警備と生活、様子
キプロス共和国と両領域は条約に基づき国境警備やイミグレーションなどは行われてはいない(BREXITの影響は当領域に関する議定書が例外で定められていたためなかった。)。しかし、デケリアのトルコ人が支配してる領域「北キプロス・トルコ共和国」との境界ではパスポートチェックが行われている。緩衝地帯の境界線にはバリケードや有刺鉄線が張り巡らせてあり侵入は不可である。通貨はユーロが用いられている。軍法を除いた法制度は緊密にキプロス共和国側の法律と連携を取っており、どちらかの法制度で裁かれても同様の法律が適用されるようにできている。人口は約18000人程度である。デケリア内にはオルミディーヤ・クシロティンブー・デケリア発電所が領域内にキプロス共和国の飛び地がある(二重飛地)。
・参考文献
https://www.mfa.gr/images/docs/kypriako/treaty_of_establishment.pdf